職場で殴られたら、どうなるか

いちばん大事なこと

いますぐ110番してください。その場で呼ぶかどうかで、全部が決まります。

暴行は、現行犯のうちに警察を入れられるかがすべてです。その場なら、警察が来て、現場を見て、記録が残ります。この記録が、何年もあとまで効き続けます。

時間が経つと、こうなります。あとから「実はあのとき殴られた」と言っても、「そんな事実はなかった」と言われたら、それまでです。目撃者の記憶も薄れます。私が見てきた範囲では、あとから動こうとした人は、大抵うまくいっていません。

会社に報告するのは、そのあとで構いません。「俺が言っておくから」と止められても、先に110番してください。社内で話をつけてもらうことと、警察に通報することは、両方やって構いません。

職場で殴られました。その場で110番しました。会社を通していません。 弁護士に依頼していません。刑事も民事も、ほぼ自分ひとりでやりました。

私は法律の初心者です。それでも、この手順でここまで行けました。

結果

刑事相手は起訴。罰金10万円の略式命令。前科がつきました
民事少額訴訟で勝訴。111,753円が振り込まれました
刑事にかかった費用0円
民事にかかった費用約28,700円
差し引き約83,000円が手元に残りました

自分がやったのは、3つだけです

  1. その場で110番する(時間が経つと現行犯ではなくなります)
  2. 2日後、警察署で被害届を出す
  3. 「厳罰を望みます」と言う

あとは全部、待っているだけでした。

会社の人には「俺が言っておくから、被害届は出さないでくれ」と言われましたが、断りました。

手続きは、思っているほど一本道ではありません

制度の建前

調べると、たいていこう書いてあります。9段階、一本道。この図だけ見ると、そんなに大変そうには見えません。

  1. 110番する

  2. 被害届を出す

  3. 警察が捜査する

  4. 検察に送られる(送検)

  5. 検察が起訴する

  6. 裁判所が略式命令を出し、確定する

  7. 相手に慰謝料を請求する

  8. 払われなければ訴える

  9. 判決が出て、入金される

私が実際に辿った道

同じ手続きです。12段階あって、事件当日から入金まで4年近くかかっています。塗りつぶしが自分で動いた段階、白抜きは待っていただけの段階です。

  1. 110番する事件当日・その場で

    2日

  2. 警察署で被害届を出す

    約4か月半 —— 待つだけ。途中の連絡は来ません

  3. 警察から「事件の処理が完全に終わった」と電話が来る

    詰まったところ結果の紙は自動では来ません。自分で区検察庁に電話して、通知書を請求する必要があります。

    数日

  4. 自分で区検察庁に請求する → 1通目の通知書が届く(結果の通知)起訴 → 5日後に略式命令 → 罰金10万円・確定

    詰まったところこの紙に相手の住所は書かれていません。このままでは民事に進めません。

  5. 検察庁に電話 → 誓約書が郵送されてくる → 署名と本人確認書類を返送する

    7か月以上 —— 急ぐ必要がなかったので放っておきました

  6. 2通目の通知書が届く(相手の住所の通知)

    ここまでで刑事の終了から3年以上 —— 時効は5年。あえて待ちました

  7. 慰謝料等請求通知書を内容証明で送る60万円

    3週間 —— 応答なし

  8. 督促状を内容証明で送る

    約3週間 —— 応答なし

  9. 少額訴訟の訴状を出す手書きで4文

    20日

  10. 期日呼出状が届く

    詰まったところ相手に弁護士が付き、全面的に争ってきました。少額訴訟は1回で終わるので、当日までに出し切る必要があります。

  11. 法廷に行く(1日)→ その日のうちに判決

    10日

  12. 入金される

実際に届いた紙

手続きの結果は、紙で来ます。ただし自分で請求しないと来ません。

検察庁から届いた暴行事件の通知書。「起訴(略式命令請求)」「10万円の罰金に処する略式命令があり、確定した」と印字されている。氏名・事件番号・日付・地名は黒く塗ってあります

1通目。起訴されて罰金が確定したことの通知です。電話して請求しないと届きません。

検察庁から届いた2通目の通知書。「下記のとおり被告人住居を通知します」と印字され、その下の住所は黒く塗ってあります

2通目。相手の住所は別の紙です。これが無いと民事に進めません。

自分で作成した慰謝料等請求通知書の1ページ目。氏名・住所・日付は黒く塗ってあります

自分で書いて、内容証明で送った慰謝料の請求書です。

自分で作成した督促状。氏名・住所・日付・口座番号は黒く塗ってあります

払われなかったので送った督促状。ここまで全部、自分で書いています。

長いのは待ち時間で、作業時間ではありません

事件当日から入金まで4年近くかかっていますが、そのうち3年以上は、私が自分の都合で動かなかった時間です。(民事の時効は5年あります。)

実際に手を動かしたのは、合計しても1週間もありません。


ここから先は、実際に自分でやる人のための記録です。

書いた書面の全文、裁判所でのやりとり、相手に弁護士が付いたときに何が起きたか、1円単位の費用、そして私が間違えたところまで、全24話に分けて、全部書いてあります。

1話はおよそ3分です。上から順に読めるようになっていますが、必要なところだけ読んでも構いません。

第1部 刑事編(全8話)

殴られたその場から、相手に罰金10万円が確定するまで。

  1. 職場の暴行で110番通報|殴られて、その場で呼びました 罰金10万円と111,753円。何をして、どうなったかを先に出しています。
  2. 会社からも周囲からも、止められました 止めてくる人は悪人ではありません。利害が違うだけです。それでも出した理由を書いています。
  3. 暴行罪は、侮辱罪よりずっと簡単です 私は誹謗中傷でも刑事をやりました。手間がまったく違った理由は、ほとんど一点です。
  4. 4年間を、2枚の図にしました 制度の建前は9段階。私が実際に辿った道は12段階でした。どこで詰まるかを先に出しています。
  5. 事件当日 —— 殴られて、その場で110番しました 会社の主任に「俺が言っておく」と言われたところから書いています。
  6. 暴行の被害届を出したあと|翌日から4か月半、待つだけでした 警察から「被害届を出しますか」と電話が来ます。ここから先、私は何もしていません。
  7. 結果は紙で来ます。ただし2通、自分で請求しないと来ません 実際に届いた2通の写真を載せています。1通目には、相手の住所が書かれていません。
  8. つまずいた点 —— 他のサイトに書いていないところ 通知書は請求しないと来ない。会社の「悪いようにはしない」が一番危ない。この3つです。

第2部 民事編(全8話)

3年待ってから請求して、法廷で「相場は10万円です」と言われるまで。

  1. 民事は、自分の好きなときにやればいい 刑事が終わってから民事まで3年以上空けています。急いでいません。やろうと思ったときにやっただけです。
  2. 内容証明で慰謝料請求|2通を、わざと時期をずらして送りました 慰謝料請求通知書と督促状。1通1,650円です。内容証明には字数と行数のルールがあります。
  3. なぜ60万円だったのか —— 少額訴訟の上限だから 適当に決めた金額ではありません。少額訴訟の上限がそこだからです。
  4. 訴状に書いたのは、手書きで4文だけです 裁判所の定型用紙に手書きで出せます。私が書いたのは、たった4文です。
  5. 相手には弁護士が付き、全面的に争ってきました 期日の10日前に答弁書が届きます。少額訴訟は1回で終わるので、当日までに出し切る必要があります。
  6. 暴行の慰謝料の相場|法廷で「10万円です」と言われました 裁判官に言われて、その場で60万円を10万円に下げました。そしてその日のうちに判決が出ます。
  7. 謝罪について —— ここが実際の争点になりました 「謝った」と言うだけでは足りませんでした。ただし、もし自分が加害者なら絶対にやると思うことがあります。
  8. 60万円が10万円になりました。6分の1です 最初の請求は60万円、判決は10万円。隠すつもりはありません。ここがいちばん役に立つ数字だと思います。

第3部 費用と書面編(全8話)

1円単位の実額と、実際に書いた書面の全文。

  1. 期間の実額 —— 長いのは待ち時間で、作業時間ではありません 事件当日から入金まで4年近く。ただし実働は1週間もありません。全段階を表にしました。
  2. 本人訴訟の費用|民事で払ったのは約18,700円です 民事で払ったのは約18,700円。ただし私がやったあとで制度が変わっています。
  3. 判決の10日後に、111,753円が振り込まれました 判決の10日後に振り込まれました。差し引きで約8万3千円の黒字です。
  4. 「訴訟費用は被告の負担」と書いてあるのに、戻ってきません 判決に「被告の負担」と書いてあるのに、印紙代は自腹のままです。理由を4つに分けて書いています。
  5. 実際に送った慰謝料等請求通知書 内容証明で送った1通目。全文と、実物の写真3枚を載せています。
  6. 実際に送った督促状 —— この1通が訴状の骨になります 3週間後に送った2通目。書いたとおりに、実際に訴訟を起こしました。
  7. 訴状の書き方と実物|請求の原因は4文です 用紙は裁判所にあります。手書きで埋められます。私が書いたのは、たった4文です。
  8. 弁護士に払った1万円で、何を買ったか 依頼はしていません。有料相談を1回だけ。1万円で買ったのは「自分でやっていい」という言葉でした。

参考リンク(一次情報)

この記事は、私一人の体験です。制度は変わります。 手続きを実際にやるときは、必ず下の公式情報で今の扱いを確認してください。

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少額訴訟のしくみ 少額訴訟(裁判所)
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お願い(免責)

このページを読んで、私に相談しようとすることはやめてください。 私は弁護士資格を持っていないので、他人の件を扱うことは違法になります。 個別のご相談には一切応じることができません。

ここに書いてあるのは、私一人のケースで、実際に起きたことです。 手続きの扱いは、事案や担当者、事件が起きてからの時間経過、証拠の状況などによって変わります。 一般論としては読まないでください。

制度も変わります。(たとえば民事の手数料は、私がやったあとで納め方が変わりました。) 必ず公式の情報で今の扱いを確認してください。