実名で誹謗中傷された私が、弁護士を使わず刑事事件にするまで
1. 結論
- 弁護士に頼まず、自分一人で刑事事件にできました。かかった費用は0円です。
- 同じことを弁護士に頼んだ場合の見積もりは、着手金だけで合計60万円でした (発信者情報開示20万+プロバイダとの裁判25万+民事訴訟が相手1人につき15万)
- やったことは、証拠を保存して、警察に通い続けて、告訴状を自分で書いただけです。
- 適切な証拠を集めて適切な手順を踏めば、あとは流れ作業で、基本的には待つだけになります
2. いちばん伝えたいこと
私は弁護士事務所に相談に行きました。そこで言われたのが 「発信者情報開示には費用がかかります」でした。着手金20万円。 そこからプロバイダとの裁判で25万円。民事訴訟に進むなら相手1人につき15万円。
一方、私の件では、書類を準備して何回か警察署に通ったところ、警察が動きました。 掲示板の運営会社に照会してIPアドレスを取得し、 そこから相手の自宅まで辿り着いて、家宅捜索でパソコンとスマートフォンを押収しています。
私が払ったのは0円です。
だから「開示請求をするために弁護士に頼む」という話を見かけると、もったいないと思います。 私の場合は、その費用が要りませんでした。
ただし、正直に書いておきます
- 受理と捜査は別物です。 被害届も告訴も、提出されたら受理しなければならないことになっています (犯罪捜査規範61条・63条。管轄区域内の事件かどうかも問わない、とされています)。 ただし「受理したら必ず捜査する」という義務があるわけではありません
- つまり分かれ目は「受理されるか」ではなく「捜査が動くか」です。 証拠の状況、犯人を特定できる見込み、捜査の優先順位など、いろいろな事情で変わります
- そして前提として、出す書類がまともであることが必要です。 中身がダメな告訴状を持っていっても、話が進みません
- 私の場合は、書類を作って通って、捜査が動いた。それだけの話です
- 私は弁護士ではありません。ここに書くのは、私が自分の件で実際にやったことだけです
私の件は、侮辱罪が厳罰化される前の話です
この点は、条文が変わっているので正確に書きます。
侮辱罪は2022年7月7日に改正されました。それ以前の法定刑は 拘留(30日未満)または科料(1万円未満)——刑法の中で最も軽い刑でした。 公訴時効も1年しかありませんでした。
現在の法定刑は、こうです。
1年以下の拘禁刑 若しくは 30万円以下の罰金 又は 拘留 若しくは 科料 公訴時効は3年
(「懲役・禁錮」は2025年6月1日に「拘禁刑」へ一本化されました。 私の件の当時とは、刑の名前そのものが変わっています。)
つまり私は、刑法で一番軽い罪、時効1年という条件で告訴しました。 そしてその条件でも、警察は無料で発信者情報を調べ、家宅捜索まで行いました。
これは私の件で起きたことです。 現在の運用がどうなっているかは、私には分かりません。 法定刑と時効が変わっていることだけは、事実として書いておきます。
3. 実際にやったこと(時系列)
名前を書かれただけの時期は、動けない
最初に自分の名前を見つけたのは、書き込みが始まって半年ほど経った頃でした。 掲示板の運営に削除要請を出しましたが、受理されませんでした。
この時点で、私は動きようがないと判断しました。 掲示板に自分の実名がポンと書かれていただけで、侮辱罪として扱える内容ではないと考えたからです。 進路が決まりかけていた時期でもあったので、そのまま放置しました。
名前を書かれた段階でジタバタしても、私の件では意味がありませんでした。 私が何を見て判断したかは 「4章」に書きます。
動き出してからの3日間
内容が明確に悪化しているのを、アルバイト中に友人に指摘されて知りました。翌日から動きました。
| 日 | やったこと | 結果 |
|---|---|---|
| 1日目 | 法テラスに電話 → 市の消費生活センターに相談 | 「警察で告訴状を書くように」とアドバイスされる |
| 1日目 | 市の窓口(人権・生涯学習課)にたらい回し | 「削除だけならできる」と言われる。削除は目的ではないので保留 |
| 1日目 | 午後、警察署へ | 初動捜査係の担当者が対応。「告訴状が弱い」と言われる |
| 2日目 | 書き込みが更新される | 証拠を追加保存 |
| 3日目 | 日曜に警察署へ | 閉庁日で、まともに取り合ってもらえず帰される |
日曜に行っても意味がありませんでした。 私は平日に、同じ担当者を訪ねるようにしました。
相談先は「削除したい」のか「処罰したい」のかで分かれる
回った窓口はこうでした。
- 法テラス — 契約している弁護士は分かるが、その弁護士が何を扱うかまでは分からない。 「ひまわりサーチ」という弁護士検索サイトを教えてもらった
- 消費生活センター — 無料の弁護士相談ができた。 そこで「告訴状は素人でも作れる。ネットの雛形でできる」と教わった
- 市の人権・生涯学習課 — 削除の相談窓口。処罰を求めるなら、ここではない
- 警察 — 処罰を求めるならここ
目的が「消したい」なのか「処罰したい」なのかで、行く場所が変わります。 私は処罰が目的だったので、最終的に警察一本に絞りました。
告訴状は「受理される前」から効いた
告訴状は自分で書きました。動き出してから6日目には書き上がっています。
ただし、この告訴状はすぐには受理されませんでした。
- 初動捜査係の担当者「告訴状は入り口が違うだけでどうにもならない。 取り下げる前提の告訴状は受け取れない」
- 刑事第一課の課長「告訴状は現段階では意味がないのでやめろ。ただし捜査はする」
それでも捜査は始まりました。
「捜査はするから待ってくれ」と言われたので、素直に待ちました
告訴状は、提出すれば受理しなければならないことになっています。 だから、押し切って出すこともできました。でも、出しませんでした。
警察には警察の都合があると思ったからです。 受理してから送検するまでの時間が、記録として残るのかもしれません。 (これは私の想像です。根拠はありません。)
そして、受理されたとしても、捜査するか、送検するかは警察の判断です。 押し切って出したところで、自分の印象を悪くするだけかもしれない。
私の目的は、告訴状を提出することではありませんでした。相手を起訴させることです。 だから、汲み取れる部分は汲み取って、言われたとおりに待ちました。
つまり、私の件で実際に効いたのは「告訴状が受理されたこと」ではなく、 「完成した告訴状を用意して、それを持って何度も通ったこと」でした。
私の場合、受理されたことが捜査開始の合図ではありませんでした。 完成した告訴状を持って通い続けたことのほうが、結果的に効いたと感じています。 (これは私の実感であって、そういう制度があるわけではありません。) 何を書いたかは 8章に全部載せます。
待っている間にやったこと
捜査が始まってから犯人が判明するまで、約2か月かかりました。 その間にやったことは、これだけです。
- 進展がないときに、こちらから電話して状況を聞く (やりすぎると心証が悪くなるので、2週間に1回くらいにしていました)
- 「いつまでに進展がありそうか」を聞いておく (詰めすぎると印象が悪くなるので、「大体でいいので」と前置きしていました)
- 掲示板を定期的に確認する(書き込みが消えたら、何かが動いた合図)
実際、ある日ふと見たら最後の書き込みが消えていました。 その時点で警察に電話したら、まだIPも取れていないと言われました。 削除されたということは、相手側に何か動きがあったということです。
特定できた
犯人は、学校の中ではなく、身近にいた知人でした。
学校の中に犯人がいると思い込んでいたので、そこは外れました。ただの思い込みでした。
特定できたこと自体は、間違いなく良かったです。 犯人のやり逃げにならない。やったことに対して、ちゃんと結果がつく。それだけのことです。
そのあと、告訴するかどうかは自分次第だと言われたので、すぐに告訴すると決めました。
ここで迷うくらいなら、最初から泣き寝入りしたほうがいいと私は思います。 警察は暇ではありません。税金で動いています。 相手が誰だったかによって迷うなら、最初から手を煩わせるべきではない。
犯人が判明した時点で、警察から教えてもらった相手の情報を使って告訴状を作り直し、 印鑑を押して正式に提出しました。
結果を紙でもらう —— 書面は2通、どちらも「言わないと来ない」
ここが一番みんな知らないところだと思うので、詳しく書きます。
1通目:処分通知書(起訴されたことの通知)
私は警察に対して、「処分通知書が欲しいと検察に伝えておいてください」と頼んでおきました。 その結果、区検察庁の検察官から封筒が届きました。
中身は「処分通知書」という1枚の書類で、書かれていたのはこれだけです。
- 被疑者名
- 罪名
- 事件番号
- 処分年月日
- 処分区分 — 私の件は「簡易裁判所に起訴(略式命令請求)」
頼んでおかないと届きません。告訴するときに必ず言っておいてください。
2通目:通知書(結果の通知)
そのあと、「通知書」という別の書面が届きました。こちらには結果が書かれています。
私の件はこうでした。
侮辱に該当する。◯月◯日起訴。◯月◯日、同裁判所において 9,900円の科料に処する略式命令があり、◯月◯日確定したので通知します。
「処分通知書」と「通知書」は別物です。 私の場合、処分通知書が届いてから、結果の通知書が来るまで3か月空いています。
相手の情報をもらう —— ここが民事への入口
処分通知書には、相手の氏名と罪名くらいしか書かれていません。 これだけでは民事は起こせません。相手の住所が要ります。
そこで、検察官に直接電話しました。
「民事にしたいので、相手方の住所・氏名・電話番号・職業などを 通知する書面をください」
この「民事にしたいから」という理由でないと、教えてもらえません。 それ以外に、被害者に相手の個人情報を渡す正当な理由がないからです。
民事にすると言えば、渋々ですが教えてくれます。 そのかわり「プライバシーに関わる情報なので、扱いには十分注意してください」と 念を押されます。当然です。
民事に進むつもりがあるなら、この電話を忘れないでください。
結果について、正直に書いておきます
9,900円の科料です。金額としては小さい。
私の件は略式命令でした。書類だけで終わり、法廷が開かれることはありませんでした。
(改正前の侮辱罪の法定刑は「拘留または科料」で、科料は1万円未満。 現在は法定刑が引き上げられているので、同じ事件でも結果は変わりえます。)
それでも、意味はあったと思っています。 やり逃げにはならなかった。相手には前科がついた。それだけのことです。
4. 罪名は、自分で決めて書きました
ここが一番きついところです。
告訴状には「この罪に当てはまります。理由はこれとこれです」と書く欄があります。 「名誉毀損か侮辱罪のどちらかに当たります」とは書けませんでした。 どちらか一つを、自分で選んで書きました。
(最終的にどの罪で扱うかを決めるのは警察と検察です。 告訴人が決められるのは「自分がどちらだと主張するか」だけでした。)
私が確認した2つの要件
- 公然性 — 不特定多数の目に触れる場所か
- 特定性 — その書き込みが、自分を指していると分かるか
私の件で書き込みに入っていたのは、実名と、人格を否定する言葉だけです。 学校名も学年も、書き込みそのものには書かれていませんでした。 学校名は、その書き込みがあったスレッドの名前です。
掲示板なので公然性は明らかでした。問題は特定性のほうで、そこは自分で組み立てました。
私の件では、名前だけが書かれていた段階では、侮辱罪として扱える内容ではないと判断しました。 だから動かなかった。3章の最初に書いたのはそういうことです。 (これは私が自分の件について下した判断で、一般的な線引きではありません。)
名誉毀損か、侮辱罪か
ネット上では「名誉毀損だ」と気軽に言われがちですが、この2つは要件が違います。
- 名誉毀損 — 具体的な事実を示したかどうかが要件になる。 その事実が本当か嘘かを問わずに要件に入る(真実かどうかは、 成立するかどうかとは別の場面で問題になります)
- 侮辱罪 — 具体的な事実の摘示が要件に入っていない
私はこう考えて切り分けました。(あくまで私の考え方です)
| 書き込みの例 | 私ならどちらで出すか |
|---|---|
| 「○○大学の△△(実名)はキモい」 | 侮辱罪。評価・決めつけであって、事実ではない |
| 「○○大学の△△(実名)は不倫している」 | 名誉毀損。具体的な事実が書かれている |
| 「○○大学の△△(実名)は借金が◯◯万円ある」 | 名誉毀損。同上 |
私の件は、実名+人格を否定する言葉でした。(具体的な事実は含まれていません。) これが「具体的な事実」に当たるかどうかは、微妙です。
名誉毀損のほうが罪は重い。だから通れば有利です。 しかし外したら、告訴状ごと通らない可能性がある。
だから私は、要件を確実に満たすほうを選びました。安牌を取ったということです。 実際、警察も「これは名誉毀損とは言えない。うちで扱うなら侮辱罪でいく」と言っていました。
特定性は、自分で論証する
「実名が書かれている」だけでは、特定性の主張として弱い場合があります。 (同姓同名の人がいる、同じ姓の人が多い、など。) 私は告訴状の中で、こう主張しました。
- その書き込みは「(大学名)」という名前のスレッドの中にあった
- その大学に、私と同姓同名の人間はいない
- したがって、この書き込みは私個人を特定できる
「どこに書かれていたか」と「そこに同姓同名がいないこと」をセットにすると、 特定性の主張になります。
ここは自分で組み立てて、告訴状に書いてください。 警察が代わりに考えてくれるわけではありません。
そしてこれは、人に決めてもらえません
ここばかりは、弁護士に相談しても「こうじゃないですかね」くらいの答えしか返ってきません。 最終的に決めるのは警察と検察だからです。
だから私は、自分の書き込みを見て 「具体的な事実が書かれているか/いないか」を、自分で切り分けました。
(私は弁護士ではありません。これは私が自分の件でどう判断したか、という話です)
5. 証拠の保存(ここは手を抜かないでください)
スクリーンショットだけでは足りません。
- ページそのものを保存する(ブラウザの「ページを保存」/PDFで保存)
- 紙に印刷もする
理由は2つあります。
- あとから「加工したのではないか」と言われないため。 スクリーンショットは画像なので、手を加えられます
- 相手が勘づいて削除し、逃げてしまう前に確保するため。 実際、私の件でも捜査の途中で書き込みが1つ消えました
そしてログには保管期限があります。 保管期間はサイトの運営会社によって違うので、ここに具体的な日数は書きません。 書いてしまうと、それを見た人が「もう手遅れだ」と誤解して諦めるかもしれないからです。
見つけたら、その日のうちに、URLと日時が分かる形で保存してください。 私は、ここだけは急いだほうがいいと思っています。
6. 費用と期間(実額)
| 私 | 弁護士に頼んだ場合の見積もり | |
|---|---|---|
| 発信者情報開示 | 0円(警察が実施) | 20万円(着手金) |
| プロバイダとの裁判 | 不要(警察が特定したため) | 25万円(着手金) |
| 民事訴訟 | やらなかった(下記) | 相手1人につき15万円(着手金) |
| 合計 | 0円 | 60万円 |
かかった時間
| 動き出してから犯人特定まで | 約2か月 |
| 犯人特定 → 告訴を決めるまで | 数日(迷わなかった) |
| 告訴 → 処分通知書(起訴の通知)が届くまで | 約1か月半 |
| 起訴 → 略式命令 | 6日 |
| 略式命令 → 確定 | 17日 |
| 確定 → 通知書(結果の通知)が届くまで | 約2か月 |
動き出してから全部終わるまで、およそ半年です。 そのうち自分が動いたのは最初の2か月ほどで、あとは待っているだけでした。
民事はやりませんでした
慰謝料請求の通告書は自分で書いて、送るところまで準備しました。 ですが、最終的に民事の慰謝料請求はしていません。
理由は、相手が以前は親しかった人だったからです。
刑事で処分が出た時点で、私の中では終わりました。 「やり逃げにさせない」というのが目的だったので、そこは達成できています。
なお、後の暴行事件のほうでは、民事裁判まできちんとやりました。 (→ 職場での暴行の記録) やるかやらないかは、そのつど決めればいいということだと思います。
7. 弁護士は必要だったか
この件で弁護士に依頼はしていません。着手金は1円も払っていません。 ただし無料相談は使いました。そして、そこで一番大事なことを教わりました。
私が聞いたのは、これだけです。
「告訴状は素人でも作れますか」
返ってきた答えが「ネットの雛形でできる」でした。これで動けるようになりました。
分かれ目は「何を聞くかが決まっているか」
無料相談で満足したことは、正直あまりありません。 ただし弁護士が悪いとは思いません。
無料だと「とにかく訴えてやる」と言うだけで証拠も自分で集めない人の相手を ずっとすることになるので、そういう対応になるのだろうと推察しています。
逆に言えば、聞くことが具体的に決まっていれば、無料相談でも答えは返ってきます。 漠然と「困っています」と行くから、漠然とした答えしか返ってこないのだと思います。
- 何を聞くかを決めてから行く
- 決まっていないなら、まず自分で調べる
- 聞くことが明確なら、1時間1万円の有料相談は必要経費です
そして、暴行事件のほうでは実際に弁護士を使いました。 (→ 職場での暴行の記録) つまり「弁護士は要らない」という話ではありません。使いどころがあるという話です。
8. 告訴状のひな形(実際に書いたものを匿名化)
ここが一番実用的な部分だと思うので、構成をそのまま載せます。
📄 告訴状のひな形をテキストで開く (書くときのポイントも一緒に入れてあります)
これは、私が自分の事件のために作った書面を、一般的な形に直したものです。 特定の事件に当てはまることを保証するものではありません。 文面は自分の言葉で書き直してあります。
Word形式では配っていません。
.docxにはファイルを作った人の名前が中に残るためです。 テキストなら、メモ帳でもWordでも開けて、そのまま貼り付けられます。そしてそのまま出せる完成品にはしていません。 中身がダメな告訴状を持っていっても相手にされません。 写しながら、自分の事実で埋めてください。
告訴状
○年○月○日
○○警察署長 殿
告訴人 ○○ ○○ 印
告訴人
住所 〒000-0000 ○○県○○市○○
氏名 ○○ ○○
生年月日 ○年○月○日
年齢 ○歳
被告訴人
住所 不詳 ← 犯人が分からない段階では、ここは全部「不詳」でよい
氏名 不詳
年齢 不詳
職業 不詳
電話番号 不詳
告訴の趣旨
被告訴人の以下の行為は、侮辱罪(刑法231条)に該当するので、
被告訴人を厳罰に処することを求め、ここに告訴いたします。
告訴事実
被告訴人は、○年○月○日から○年○月○日に至るまで、
インターネット上の○○というサイトの○○というスレッドにおいて、
学校名、学年、実名によって客観的に個人が特定できる情報のもと、
「(書き込みの文言をそのまま)」などと執筆掲載し続け、
不特定かつ多数の者に閲覧させ、もって公然と告訴人を侮辱したものである。
被告訴人の当該記事は何回にも分けて書き込まれ、日時をずらし、
あたかも複数人が書き込んでいるように見せた手の込んだものであり悪質である。
告訴人は進路が決まっている状態であり、
その関係に悪影響を及ぼす可能性があり、
私生活や学校生活、未来における人生の平穏を脅かされていること、
告訴人の繊細な時期を狙っての極めて悪質なものであることから
本告訴に及ぶしだいです。
なお、告訴人は、本件に関し、以後捜査に関して全面的な協力をすること、
および、捜査機関の指示ないし許可なく取り下げをしないことを、
お約束いたします。
以上
証拠資料
該当ページの保存 ○通
相手が分からなくても、告訴状は書けます
ここで多くの人が止まると思うので、先に書いておきます。
犯人が分からない段階で警察に持って行った告訴状は、被告訴人の欄を 「住所・氏名・職業・電話番号すべて不詳」と書いていました。
それで問題ありません。相手が誰か分からないから警察に行くのであって、 分かっているなら苦労しません。
そして犯人が判明したあと、警察から教えてもらった相手の情報で作り直し、 印鑑を押して正式に提出しました。
つまり告訴状は2回作ります。
- 1回目(不詳版) — 「あとは名前を入れるだけです。このまま出すこともできます」と 警察に見せるためのもの。本気度を示すために持ち歩きました
- 2回目(確定版) — 犯人が判明したあと、正式に出すもの
「相手が分からないから告訴状は書けない」と思って動けずにいるなら、それは違います。
私が雛形に足した1文
雛形にはない一文を、最後に自分で足しました。
この告訴状を出した後、取り下げることはしません。
これがこの告訴状で唯一のオリジナルです。そして、これが効いたと思っています。
もちろん法的な根拠はありません。こう書いておいて、あとから取り下げることもできます。 ただ、取り下げたら、次に何か事件があったときの警察の印象は最悪になるでしょう。
受理するかどうかは警察の判断です。だから、「この人は取り下げないんだな」という覚悟が 伝わればいい。
警察も暇ではありません。税金で仕事をしています。 取り下げる前提の事件に使う時間はないはずです。 だから「取り下げません」と、入れなくてもいい一文をわざわざ入れました。
実際、最初に警察で言われたのは 「取り下げる前提の告訴状は受け取れない」でした。そこが見られています。
ただし、前提があります
中身がダメな告訴状を持っていっても、相手にされません。 自作するなら、完璧なものを作り上げてください。 覚悟が伝わるのは、書類がちゃんとしている場合だけです。
書くときのポイント
- 「厳罰に処することを求め」と明記する。 処罰を求める意思表示が、告訴の本体です
- 「捜査に全面協力する」「勝手に取り下げない」を必ず入れる。 上に書いたとおり、ここが一番見られています
- 被害の具体性を書く。 「嫌だった」ではなく、何が脅かされているかを書く。 私の場合は進路が決まっている時期だったので、そこを書きました
- 悪質性を書く。 私の件では、日時をずらして複数人が書いているように見せかけてありました。 それを「手の込んだもので悪質」と書いています。 ただしこれを書いたのは、犯人が1人で全部書いていたと分かってからです。 それ以前は、本当に複数犯の可能性もありました。分かっていないことは書けません
- 書き込みは実際の文言をそのまま引用する。要約しない
- 証拠資料の点数を最後に書く
参考リンク(一次情報)
この記事は、私一人の体験です。制度は変わります。 実際に動くときは、必ず公式の情報で今の扱いを確認してください。
| 何を調べるか | どこを見るか |
|---|---|
| 侮辱罪の法定刑の引上げ(2022年7月7日) | 法務省 Q&A |
| 刑法231条(侮辱)・230条(名誉毀損)の条文 | e-Gov法令検索 |
| 公訴時効 | e-Gov法令検索(刑事訴訟法250条) |
| 告訴について | 最寄りの警察署/法テラス |
弁護士事務所の解説記事ではなく、条文と公式の説明を確認してください。 私の書いたものも含めて、二次情報は古くなります。
お願い(免責)
このページを読んで、私に相談しようとすることはやめてください。 私は弁護士資格を持っていないので、他人の件を扱うことは違法になります。 個別のご相談には一切応じることができません。
ここに書いてあるのは、私一人のケースで、実際に起きたことです。 手続きの扱いは、事案や担当者、事件が起きてからの時間経過、証拠の状況などによって変わります。 一般論としては読まないでください。