爆サイ.comに実名で誹謗中傷されたら、どうなるか

いちばん大事なこと

いますぐ告訴状を作って、最寄りの警察署に持っていってください。

証拠は、放っておくと自動的に消えます。掲示板のサーバーに残るアクセス記録(ログ)には保管期間があり、サイトによってまちまちです。目安は3か月と言われています。もっと短いところも、半年ほどのところもあるようです。

ログが消えたあとでは、警察が照会しても何も出てきません。そうなると、相手が誰かは永久に分かりません。間に合うかどうかは、気づいてから何日で動いたかで決まります。

やってはいけないこと。その掲示板に書き込み返す、相手だと思う人にDMを送る、本人に問いただす。相手に気づかれると、書き込みを消されて逃げられます。言いたいことがあっても、警察が動くまでは何もしないでください。

爆サイ.com に、実名で誹謗中傷を書かれました。 発信者情報開示請求はしていません。弁護士にも依頼していません。 刑事告訴をして、警察が犯人を特定しました。

私は法律の初心者です。告訴状もネットの雛形から自分で作りました。

結果

犯人の特定警察がIPアドレスを照会し、家宅捜索まで行いました
刑事相手は起訴。科料9,900円の略式命令。前科がつきました
民事慰謝料を請求したところで止めました(支払いはありません)
かかった期間動き出してから約半年
弁護士に頼んだ場合の見積もり着手金だけで60万円
かかった費用0円

私の件は、侮辱罪が厳罰化される前の話です。 当時の法定刑は刑法で最も軽く、時効も1年でした。その条件でも警察は動きました。

自分がやったのは、3つだけです

  1. 証拠を保存する(ここだけは手を抜けません)
  2. 警察に通う(1回では動きません)
  3. 告訴状を自分で書く(ネットの雛形で作れます)

特別な知識は要りませんでした。

手続きは、思っているほど一本道ではありません

制度の建前

調べると、たいていこう書いてあります。8段階、一本道。この図だけ見ると、順番に進んでいくように見えます。

  1. 証拠を保存する

  2. 警察に相談する

  3. 告訴状を出して、受理される

  4. 警察が捜査し、犯人を特定する

  5. 検察に送られる(送検)

  6. 検察が起訴する

  7. 裁判所が略式命令を出し、確定する

  8. 相手に慰謝料を請求する

私が実際に辿った道

同じ手続きです。動き出してから終わるまで、およそ半年。塗りつぶしが自分で動いた段階、白抜きは待っていただけの段階です。

  1. 掲示板に自分の名前を見つける → 運営に削除要請 → 受理されず

    詰まったところ名前を書かれただけの段階では、侮辱罪として扱える内容ではないと判断しました。ここでジタバタしても、私の件では意味がありませんでした。

    半年以上 —— 何もしていません(動きようがなかった)

  2. 内容が明確に悪化。翌日から動き出す1日目

    詰まったところ相談先は「削除したい」のか「処罰したい」のかで分かれます。法テラス → 消費生活センター → 市の人権窓口 → 警察、と1日でたらい回しになりました。

  3. 警察署へ → 「告訴状が弱い」と言われる1日目の午後

    2日目 —— 書き込みが更新されたので証拠を追加保存

  4. 日曜にもう一度警察署へ → 閉庁日で帰される3日目

    3日

  5. 告訴状を自分で書き上げる6日目

    詰まったところこの告訴状は受理されませんでした。「現段階では意味がないのでやめろ。ただし捜査はする」と言われました。受理されなくても捜査は始まります。

  6. 捜査が始まる(告訴状は出さないまま)

    約2か月 —— 2週間に1回くらい、こちらから電話して状況を聞きました

  7. 犯人が特定される学校の中ではなく、身近にいた知人でした

  8. 告訴状を作り直して、正式に提出する

    詰まったところ結果の紙は頼まないと来ません。「処分通知書が欲しいと検察に伝えておいてください」と、告訴するときに言っておく必要があります。

    約1か月半

  9. 処分通知書が届く(起訴されたことの通知)処分区分「簡易裁判所に起訴(略式命令請求)」

    約3か月 —— 処分通知書と通知書は別物です

  10. 通知書が届く(結果の通知)起訴 → 6日後に略式命令 → 17日後に確定・科料9,900円

    詰まったところこの書面には「公表することのないよう注意してください」と書かれています。私はそれを承知のうえで、相手にたどり着ける情報を全部塗って載せています。

  11. 検察官に電話して、相手の住所をもらう「民事にしたいので」と言わないと教えてもらえません

  12. 慰謝料等請求通知書を内容証明で送る

    応答なし

  13. 督促状を内容証明で送る

    応答なし。支払いもありませんでした

  14. ここで止めました(訴訟は起こしていません)

実際に使った紙

自分で作成した告訴状の1ページ目。Wordの雛形を書き換えて印刷し、印鑑を押しただけの書面。氏名・住所・事件の詳細は黒く塗ってあります

自分で書いた告訴状。Wordの雛形をネットからダウンロードして、自分用に書き換えて、印刷して印鑑を押しただけのものです。

検察庁から届いた処分通知書。罪名の欄に「侮辱」、処分区分の欄に「簡易裁判所に起訴(略式命令請求)」と印字されている。氏名・事件番号・日付・地名は黒く塗ってあります

1通目。起訴されたことの通知です。告訴するときに頼んでおかないと届きません。

検察庁から届いた通知書。「9900円の科料に処する略式命令があり、確定したので通知します」と印字されている。氏名・事件番号・日付・地名は黒く塗ってあります

2通目。結果の通知です。1通目とは別の紙で、私の場合は3か月空きました。

自分で作成した慰謝料等請求通知書の1ページ目。双方の氏名・住所・生年月日・日付は黒く塗ってあります

内容証明で送った慰謝料の請求書。支払いはありませんでした。

「お金が無いから泣き寝入り」ではありませんでした

「開示請求に60万円」と言われて、私も一度は諦めかけています。

でも、0円でできました。手順を踏んだら、警察が動きました。

同じ結果になるとは限りません。事案・証拠・時期・担当者によって扱いは変わります。


ここから先は、実際に自分でやる人のための記録です。

告訴状の全文(匿名化したもの)、罪名を自分で決めた根拠、証拠の保存のしかた、警察に何と言われて何を返したか——全20話に分けて、全部書いてあります。

1話はおよそ3分です。 上から順に読めるようになっていますが、必要なところだけ読んでも構いません。

第1部 刑事編(全11話)

書き込みを見つけてから、相手が起訴されるまで。

  1. 爆サイの犯人特定|開示請求なし・0円でたどり着きました 弁護士の見積もりは着手金だけで60万円。私が払ったのは0円です。何が違ったかを書いています。
  2. なぜ告訴状が要るのか —— 侮辱罪は親告罪だからです 私が念入りだったからではありません。侮辱罪が親告罪だからです。
  3. 私の件は、侮辱罪が厳罰化される前の話です 私がやったのは改正前。刑法で一番軽い罪、時効1年という条件でした。それでも捜査は動いています。
  4. 爆サイ.comに書かれて、0円で刑事事件にしました 「爆サイ 削除」で検索して出てくるのは業者の広告だけ。私は弁護士にも業者にも頼まず0円でした。
  5. 半年間を、2枚の図にしました 制度の建前は8段階。私が実際に辿った道は14段階でした。増えた6つが、詰まったところです。
  6. 名前を書かれただけの時期は、動けませんでした 半年以上、何もしていません。動きようがなかったからです。動き出してからの3日間を表にしました。
  7. 相談先は「消したい」のか「処罰したい」のかで分かれます 1日で4か所をたらい回しになりました。目的が「消したい」か「処罰したい」かで、行く場所が変わります。
  8. 告訴状が受理されないとき|「受理される前」から効きました 告訴状は受理されませんでした。それでも捜査は始まりました。押し切らなかった理由を書いています。
  9. 待っている間にやったことと、特定できた日 犯人が判明するまで約2か月。その間にやったのは、2週間に1回の電話だけです。
  10. 結果は紙で2通。どちらも「言わないと来ません」 処分通知書と通知書は別物です。頼んでおかないと届きません。実物の写真を載せています。
  11. 「公表するな」と書いてある書面を、なぜ載せているか 書面には「公表するな」と書かれています。承知のうえで載せている理由と、民事への入口。

第2部 告訴状編(全6話)

実際に出した告訴状の全文と、罪名を自分で決めた根拠。

  1. 罪名は、自分で決めて書きました 告訴状で一番きついところです。「どちらかです」とは書けません。自分で選びます。
  2. 名誉毀損と侮辱罪の違い|私はどう切り分けたか 分かれ目は「具体的な事実を示したかどうか」です。私は安牌を取りました。
  3. 特定性は、自分で論証します 「実名が書かれている」だけでは弱い場合があります。私が告訴状に書いた組み立て方です。
  4. 誹謗中傷の証拠の残し方|ここは手を抜かないでください スクリーンショットだけでは足りません。見つけたその日のうちに保存してください。
  5. 告訴状のひな形|侮辱罪で実際に提出した全文(匿名化) 実際に出した告訴状の全文です。実物の写真も載せています。
  6. 告訴状の書き方|相手が分からなくても「不詳」で書けます 犯人不明でも書けます。そして私が雛形に足した1文が、いちばん効いたと思っています。

第3部 費用とその後編(全3話)

実額と、慰謝料の請求をどこで止めたか。

  1. 費用と期間の実額 —— 0円と、およそ半年 0円と、およそ半年。弁護士に頼んだ場合の見積もりと並べて出しています。
  2. 慰謝料の請求まではやって、訴訟はやりませんでした 内容証明を2通送って、そこで止めました。実際に送った書面の写真を載せています。
  3. 誹謗中傷に弁護士は必要か|依頼はしていません 依頼はしていません。ただし無料相談で、いちばん大事なことを教わりました。

参考リンク(一次情報)

告訴・告発について 最寄りの警察署/法テラス
違法・有害情報の相談 違法・有害情報相談センター(総務省)
誹謗中傷やプライバシー侵害の相談 インターネット人権相談(法務省)
刑法(侮辱罪の条文) e-Gov 法令検索

お願い(免責)

このページを読んで、私に相談しようとすることはやめてください。 私は弁護士資格を持っていないので、他人の件を扱うことは違法になります。 個別のご相談には一切応じることができません。

ここに書いてあるのは、私一人のケースで、実際に起きたことです。 手続きの扱いは、事案や担当者、事件が起きてからの時間経過、証拠の状況などによって変わります。 一般論としては読まないでください。

制度も変わります。侮辱罪の法定刑と公訴時効は、私の件のあとで変わりました。 必ず公式の情報で今の扱いを確認してください。