民事は、自分の好きなときにやればいい

職場での暴行の記録 民事編 1

刑事が終わったのは、事件と同じ年の夏です。民事の請求書を送ったのは、その3年以上あとでした。

急いでいません。やろうと思ったときに、やっただけです。

なぜ待てたのか

刑事は待てませんでした。証拠が消えるからです。 民事は待てました。証拠が、もう確定していたからです。

刑事事件になり、起訴され、罰金の略式命令が出た。この事実が紙で手元にありました。

つまり私の件では、「殴った/殴っていない」という争いは、もう終わっていたということです。 民事に残っていた仕事は、金額が相場どおりかどうかを話すことだけでした。

もし刑事をやらずに、いきなり民事だけをやっていたら、水掛け論になっていたと思います。 素人の私には、それを覆せる材料がありませんでした。

時効 —— 5年あることは、最初から分かっていました

急いでいなかったのは、時効まで余裕があると知っていたからです。

刑事が終わった直後は少し疲れていましたし、私生活も忙しい時期でした。

正直に言うと、一度は「もういいかな」と思っていました

刑事が終わってから時効までの間に民事をやろう、とは思っていました。 ただ、時間が経つにつれて「もういいかな」と思うようになっていたのも本当です。

やる気になったのは、外からの一言でした。

同僚B喉元過ぎて熱さを忘れたみたいで、また調子に乗っている

前の職場の人間から、そう連絡を受けました。

それで、実行に移しました。

用語

不法行為の消滅時効

損害賠償を請求できる期間のことです。原則は損害と加害者を知ったときから3年(民法724条)。ただし人の生命・身体を害する不法行為は5年です(民法724条の2)。

暴行は身体を害する不法行為なので、私が確認した時点では5年のほうが適用されました。だから3年以上寝かせても間に合っています。

この5年の規定は2020年4月1日施行の改正で新しく入ったものです。改正前だったら、私は間に合っていませんでした。そして5年は「知ったときから」です。どこから数えるのかは、必ず自分で確認してください。「何年でも待てる」ではありません。

寝かせたことには、金銭的な利点もありました

遅延損害金です。

不法行為の損害賠償は、不法行為の時点から遅滞になるとされているので、 事件の日から支払済みまでの利息を上乗せして請求できます。

法定利率は年3%でした(民法404条)。 この利率は変動制です。今いくらかは、必ず公式の情報で確認してください。

つまり、寝かせた期間はそのまま上乗せになります。 急いで請求しても、待ってから請求しても、元本は変わりません。

実際、私が最終的に受け取ったのは111,753円でした。 元本10万円に、事件当日から入金日までの利息が乗った額です。